木下氏:ゲノム編集と従来の品種改良法を比べたものがこちらのスライドとなります。左側の図をご覧ください。ゲノム編集の方法を使うと、はさみで描かれているように、狙ったところをきちんと切って、その場所のゲノムを改変することができます。右側の従来法は、薬剤や放射線などによりランダムにゲノムを切って改編するやり方ですが、実はどこを切ったのか、何ヵ所切れているのかなどは確認できません。
また、ゲノム編集は、その編集方法によってSDN-1、2、3とカテゴリが分かれています。細胞外で加工された塩基を組み込むゲノム編集をSDN-2、外来遺伝子を入れ込むゲノム編集である「遺伝子組み換え」はSDN-3に該当します。私たちが行っているゲノム編集は、外来遺伝子を注入しないSDN-1のやり方で、自然界で発生する突然変異で得られたものと見分けがつかないものです。どうしても「ゲノム編集」というと1、2、3を混同される方も多いため、私たちはわかりやすいように、行っているゲノム編集に「ナノジーン育種」という名前をつけました。
※当日はナノジーン育種について、品種としてのメリット等、詳しくご説明いただきました。