伊勢氏:
本日はまず初めに情報管理の重要性についてお話させていただきます。
企業は、種類を問わず、様々な情報を保有しています。たとえば技術情報としての実験データや試作品情報等の研究開発情報や、製品図面・製品テストデータ等の製造関連情報、営業情報としては顧客リスト・クレーム情報等の顧客情報や市場関連情報等をお持ちかと思います。
これらの情報が漏洩してしまった場合、企業価値や競争力の毀損や研究開発投資の回収機会の喪失、業務の一時停止、社会的な信用の低下等、様々な影響が発生する可能性があります。このように情報漏洩とは企業の存続にかかわりうる重大な問題となる可能性があり、企業活動において情報管理は非常に重要です。
このような情報に関して、企業が具体的にどのように管理をしていけばいいのかという点について、本日はご説明させていただきます。
企業が情報管理を検討する際にまず最初に行うべきことは、自分の会社において、どの部署がどのような情報を保有しているのか、を把握することです。そのうえで、その情報の重要性を見極め、重要性に応じた対策を検討し実施することが必要です。もちろん、すべての情報を厳重に管理するという考え方もありますが、情報は使うことに意味があり、管理する必要性と使いやすさ、重要性のバランスを考慮し、どのように管理するかを検討することが必要となります。
※当日は、その後、秘密情報の保護と管理を中心に、具体的な管理方法等についてお話をいただきました。