松崎氏:
私たちが研究を進めている構造化培養肉の作成の手順としては、まずは、と畜された直後の肉の塊を送ってもらい、届いた肉からサテライト細胞と脂肪由来幹細胞を抽出、そして培養します。次に、培養された細胞を使い3Dプリンターで細胞プリントし、さらに分化誘導することにより、筋細胞・脂肪・血管を作成します。そのようにして作成された細胞ファイバーを、肉の構造に基づいた設計図にあわせて手作業で組み合わせることで、培養肉を作成していくのです。
ただ、残念ながら、現在細胞ファイバーにはヘモグロビン等血液成分が含まれていないため、「色」がありません。現在は食紅で着色をして作成していますが、世界的にも培養の過程で自然に着色に成功した事例はなく、培養肉の研究開発における大きな課題の一つとなっています。